日本の運転免許からシンガポールの運転免許への切り替え:手順・費用と、海外にいる間の日本の免許の更新
最終確認:2026年10月3日
シンガポールでは、住み始めて12か月未満なら日本の運転免許で運転できますが、それを超えるとシンガポールの免許への切り替えが必要です。切り替えは実技試験なしでできますが、学科試験の合格、警察の事前審査、日本語の免許の英訳など、いくつかの段階があります。この記事では、シンガポール警察(Traffic Police)、在シンガポール日本国大使館、警察庁の公式情報をもとに、切り替えの手順と費用、そして海外にいる間の日本の免許の扱いを整理します。
まず確認:住む期間で変わる「必要な免許」
| シンガポールに住む期間 | 運転に必要なもの |
|---|---|
| 12か月未満 | 有効な日本の運転免許証と、国際運転免許証(国外運転免許証)。国際運転免許証がない場合は、免許証の英訳 |
| 12か月を超える | シンガポールの運転免許(日本の免許から切り替える) |
- 日本とシンガポールは、国際運転免許証についての条約(ジュネーブ条約)の締約国。日本で取った国外運転免許証は、入国から1年間、その有効期間内なら使える(大使館の案内)
- 英訳は、在シンガポール日本国大使館の「自動車運転免許証抜粋証明」が使える。大使館は、日本の免許証と抜粋証明を一緒に持っていれば、1年未満の滞在なら運転できると案内している
- どちらの場合も、日本の運転免許証そのものが有効であることが前提。日本の免許が失効すると、国外運転免許証も使えなくなる
- Work Permit・S Pass で運転手として雇われている人は、12か月未満でもシンガポールの免許が必要
国外運転免許証は日本でしか取れない
国外運転免許証は、日本の住所地の運転免許センターなどで発行され、有効期間は発行日から1年で、更新はできません(警視庁の例では手数料2,250円)。大使館では発行できません。出国前に取っておくか、すでに海外にいる場合は親族などによる代理申請もできます。
切り替えの条件
- シンガポールで Basic Theory Test(BTT。交通ルールの学科試験)に合格していること
- 有効期限が切れていない、停止・取消しされていない外国の免許を持っていること
- Class 3/3A(普通自動車)と Class 2B(小型バイク)の切り替えは18歳以上
- 外国の免許を、シンガポールの最初のパス(または PR)を取った後に取得した場合だけ、その国に12か月のうち6か月以上住んでいたことを示す書類が必要。日本で免許を取ってから来た人は、通常この書類は求められない
実技試験は、原則として必要ありません。ただし、Work Permit と S Pass で働く人は扱いが違います(次の章)。
Work Permit・S Pass の人は「Class 3C」になる
| クラス | 運転できる車 |
|---|---|
| Class 3 | 車両重量3,000kg以下・乗客7人以下の自動車や小型の貨物車など(マニュアル車を含む) |
| Class 3A | Class 3 のうち、クラッチペダルのない車(オートマ車) |
| Class 3C / 3CA | 車両重量3,000kg以下・乗客7人以下の乗用車だけ(3CA はオートマ車) |
| Class 2B | 200cc以下のバイク |
- Work Permit・S Pass で働く人が切り替えると、Class 3C(または 3CA)の免許になる。運転できるのは普通の乗用車だけ
- バン・ピックアップなどの小型貨物車を仕事で運転するには Class 3/3A が必要で、BTT に加えて実技試験に合格しなければならない
- Work Permit・S Pass で、仕事で運転する場合は、パスの発行日から6か月以内にシンガポールの免許を取る必要がある
- この制限は Work Permit・S Pass について書かれたもので、EP・DP は挙げられていない。EP・DP の人が切り替えでどのクラスになるか(Class 3 か 3A か、日本の AT 限定免許の扱い)は公式情報で確認できなかったため、事前審査のときに確認してください
切り替えの手順
- ドライビングセンターに登録する:警察が案内している3つのセンター(Bukit Batok Driving Centre、ComfortDelGro Driving Centre、Singapore Safety Driving Centre)のどれかに登録する。オンラインで登録できるセンターもある
- BTT を予約して受ける:センター経由で予約する。試験は50問・50分(警察の模擬試験の説明による)
- 日本語の免許証の英訳を用意する(次の章)
- 警察の事前審査(Foreign Licence Pre-assessment)を FormSG で申し込む:BTT に合格したあと、警察の e-Services のページから申し込む
- 結果をメールで待つ:警察の発表では、申請から6週間以内にメールで結果が届く。対象と認められた人にだけ、来庁の予約のリンクが届く
- 予約した日に Traffic Police Headquarters(10 Ubi Avenue 3)へ行く:書類の原本と写しを持参し、手数料 S$50 を払う(NETS・デビットカード・クレジットカード・SGQR)
予約なしで行っても受け付けてもらえない
2024年5月から、切り替えの申請は FormSG での事前審査に一本化され、予約なしの来庁は受け付けていません。ドライビングセンターのページに「BTT に合格したら警察本部へ」とある場合も、警察の現行の案内(事前審査→予約)に従ってください。
必要書類と、日本語の免許証の英訳
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 写真 | パスポートサイズのカラー写真。白背景・つや消し、3か月以内に撮影したもの |
| 本人確認 | 就労パス(EP・S Pass など)または長期パス、パスポート。EP・S Pass・DP などは、シンガポールに最初に入国した日のスタンプがあるパスポート(古いものを含む) |
| 免許証 | 現在の日本の運転免許証。免許証に最初に取った日が書かれていなければ、免許の記録の抜粋 |
| 英訳 | 英語でない免許証は英訳が必要 |
| 取得国での居住の証明 | 外国の免許をシンガポールのパス取得後に取った場合だけ(パスポート、雇用・学校・税の書類など) |
英訳について、警察のチェックリストは「シンガポールで登録された翻訳会社による英訳」と書いています。一方、在シンガポール日本国大使館は、大使館の「自動車運転免許証抜粋証明」を「シンガポールの運転免許証への切り替え手続き等に利用できる」と案内しています。どちらを用意すればよいかは、事前審査の段階で警察の指示を確認してください。警察は、追加の書類を求めることがあります。
| 内容 | |
|---|---|
| 申請方法 | オンライン(オンライン在留届のサイトから申請・カード払い。来館は受け取りの1回)または窓口(来館予約が必要。申請と受け取りの2回、現金払い) |
| 必要なもの | 申請書、有効な日本の運転免許証の原本(マイナ免許証は不可)、有効なパスポートの原本 |
| 受け取り | 不備がなければ、申請の翌開館日から数えて4開館日目以降(例:月曜申請→金曜交付) |
| 注意 | 免許証とパスポートで氏名が違うと受け付けられないことがある。シンガポール国外では使えないことがある |
かかる費用
| 項目 | 金額 | 補足 |
|---|---|---|
| BTT の試験手数料 | S$7.20 | 2027年3月13日から S$8.00。予約した日の料金が適用される |
| ドライビングセンターの登録料など | センターごとに違う | 例:ComfortDelGro Driving Centre の独習パッケージは BTT の手数料込みで S$52.65 |
| 切り替えの手数料 | S$50 | 警察本部の窓口で払う |
| 免許証の英訳 | 依頼先による | 大使館の抜粋証明は大使館の領事手数料。翻訳会社は会社ごと |
BTT の教本と練習問題は、警察のサイトで英語・中国語・マレー語・タミル語で公開されていて、日本語版はありません。練習問題は無料で、Singpass があれば本番と同じ形式の模擬試験も無料で受けられます。
切り替えた後:シンガポールの免許の更新
- 外国人のシンガポールの免許には有効期限があり、期限の前に自分で更新する。案内の手紙は送られてこないので、警察は期限の1か月前の更新をすすめている
- 期限切れから3年を超えると更新できない。パスの残りが1か月未満のときも更新できない
- 免許証は Singpass アプリの「Digital Driving Licence」でも表示できる
- 紛失・破損したときの再発行は S$25
日本の免許は、海外にいる間も更新が必要
シンガポールの免許に切り替えても、日本の免許はそのまま残ります。ただし、更新期間(有効期間が切れる年の誕生日の前後1か月)に更新しないと失効します。更新は日本国内でしかできず、大使館ではできません。代理による更新も認められていません。
| 状況 | 方法 |
|---|---|
| 更新期間に一時帰国できる | 実家などを住所地として更新できる(免許証の住所と違うときは、住所変更とその証明書類が必要) |
| 更新期間の前に帰国し、更新期間には海外にいる | 「特例更新」で、更新期間の前に更新できる。海外にいる予定を示す書類が必要 |
| 失効から6か月以内 | 技能試験と学科試験が免除されて、免許を取り直せる |
| 失効から6か月を超え3年以内 | 海外滞在などのやむを得ない理由があれば、帰国してから1か月以内の手続きで、技能試験と学科試験が免除される |
| 失効から3年を超える | やむを得ない理由があっても試験は免除されない |
- 海外にいたことの証明には、出入国のスタンプがある旅券、出入国在留管理庁の出入国記録の開示文書、在外公館の在留証明、勤務先の駐在証明などを使う
- 顔認証ゲートを通るとパスポートにスタンプが押されない。スタンプで証明したいときは、ゲートを通ったあと係員に申し出て押してもらう
- 一時帰国したのに手続きをしなかった場合、その最初の帰国が「事情がやんだとき」とされ、次の帰国では免除が認められないことがある
- 失効してから取り直すと、免許証の取得日が新しい日付になる。過去から運転していたことを示したいときは、運転免許センターなどで英文の運転経歴の証明を受けられる(大使館の案内)
車を持つには COE が必要
シンガポールで車を登録して使うには、COE(Certificate of Entitlement。車を持つ権利)を入札で取る必要があります。COE の有効期間は10年で、入札は月2回行われます(LTA の案内)。車の購入費とは別にかかるため、車を持つかどうかは費用をよく確認してから決めましょう。
シンガポールの生活費シミュレーター →家賃・食費・交通費などから、毎月の生活費の目安を計算できます。切り替えのチェックリスト
- 日本の運転免許証の有効期限(切り替えの時点で有効か、次の更新期間はいつか)
- シンガポールに住み始めて何か月か(12か月が近づいていないか)
- 自分のパスの種類(Work Permit・S Pass は Class 3C になる)
- ドライビングセンターに登録し、BTT を予約した
- 免許証の英訳(大使館の抜粋証明か翻訳会社か、事前審査で確認)
- 写真(3か月以内・白背景・つや消し)
- シンガポールに最初に入国した日のスタンプがあるパスポート
- FormSG で事前審査を申し込み、予約のメールを受け取った
- 警察本部での手数料 S$50
よくある質問
+シンガポールで、日本の運転免許だけで運転できますか?
日本の免許証だけでは運転できません。住み始めて12か月未満なら、日本の免許証と国外運転免許証、または日本の免許証と英訳(大使館の自動車運転免許証抜粋証明など)を一緒に持っていれば運転できます。
+切り替えに実技試験は必要ですか?
原則として学科試験(BTT)の合格だけで切り替えられます。ただし、Work Permit・S Pass の人は Class 3C(普通の乗用車だけ)になり、小型貨物車などを運転する Class 3/3A には実技試験の合格が必要です。
+BTT は日本語で受けられますか?
警察が公開している教本と練習問題は、英語・中国語・マレー語・タミル語の4言語で、日本語版はありません。本番の試験で選べる言語は公式情報で確認できませんでしたが、英語の教本と練習問題で準備しておくと安心です。
+切り替えにはどのくらい時間がかかりますか?
BTT に合格したあと、FormSG で事前審査を申し込みます。警察の発表では、結果は申請から6週間以内にメールで届き、対象と認められた人に来庁の予約のリンクが送られます。BTT の予約の待ち時間もあるので、12か月の期限より早めに動き始めましょう。
+シンガポールの免許に切り替えたら、日本の免許はどうなりますか?
日本の免許はそのまま残ります。ただし、更新期間に更新しないと失効します。一時帰国の時期に合わせて更新するか、更新期間の前に帰国するなら特例更新を使いましょう。失効しても、海外滞在が理由なら、失効から3年以内で帰国後1か月以内に手続きすれば試験が免除されます。
+国外運転免許証はシンガポールで取れますか?
取れません。日本の国外運転免許証は日本国内でしか発行されず、大使館でも扱っていません。すでに海外にいる場合は、親族などによる代理申請ができます。
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