セカイシゴト

シンガポールに着いてからやること:就労パスの発行から銀行口座・携帯電話・交通まで

最終確認:2026年9月30日

シンガポールの就労パスは、承認(IPA)を受けただけでは完了せず、入国してから会社が発行の手続きをして初めて有効になります。その後も、Singpass の登録、銀行口座、携帯電話など、生活を始めるための手続きが続きます。順番を間違えると二度手間になることもあります。この記事では、MOM(人材開発省)・ICA(入国管理庁)・IMDA・Singapore Customs・HSA などの公式情報をもとに、到着前後にやることを順番に整理します。

全体の流れ

  1. 渡航前:IPA(承認のレター)を受け取る。SG Arrival Card を出す(到着の3日前から)
  2. 入国:入国審査で IPA のレターを見せる
  3. パスの発行:会社が MOM の eService で発行の手続きをする(即時)。通知レターが出たら働き始められる
  4. 指紋・写真の登録(必要な場合):EP は発行から2週間以内、S Pass は1週間以内
  5. パスカードの受け取り:登録から5営業日以内に配達
  6. 生活の手続き:プリペイド SIM → Singpass → 銀行口座 → 月額契約の携帯電話

1. 渡航前:IPA の期限と SG Arrival Card

IPA の有効期限(入国してパスを発行するまでの期限)
パス期限
EP6か月
S Pass60日
DP(EP の家族)6か月
DP(S Pass の家族)2か月

期限までにパスを発行できない場合は、MOM に期限の延長を依頼するフォームがあります。S Pass は期限が短いため、渡航の日程を会社と早めに決めておきましょう。

空路・海路で入国する人は、到着前に SG Arrival Card を出します。ICA は、IPA を持っている人も対象と明記しています。到着日を含めて3日前から、ICA のウェブサイトか MyICA アプリで無料で出せます(手数料を取る代行サイトは ICA と関係ありません)。

2. 入国後:就労パスの発行

入国したら、会社(または会社が頼んだ人材会社)が MOM の eService でパスの発行の手続きをします。手続きは即時で、発行されると通知レター(notification letter)が出ます。EP の場合、このレターがあればパスカードを待つ間も働けて、出入国もできます。

パスの発行手数料(MOM)
パス発行手数料
EPS$225
S PassS$100
DP(EP の家族)S$225

発行の時点でシンガポールの住所が必要

発行の手続きでは、住宅の要件を満たすシンガポールの住所を入力します。S Pass では、住宅の要件を満たしていないとパスを発行できないとされています。ホテルなど一時的な滞在先でよいかは公式情報で確認できなかったため、住まいが決まっていない場合は会社に相談してください。

指紋・写真の登録とカードの受け取り

  • 登録が必要かどうかは通知レターに書いてある(全員が必要なわけではない)
  • 期限:EP とその家族は発行から2週間以内、S Pass とその家族は1週間以内。予約制
  • 持ち物:パスポート、予約のレター、通知レター
  • パスカードは登録から5営業日以内に指定の住所へ配達される。受け取りには本人(または指定した人)の写真つき身分証が必要
  • 登録すると Singpass が使えるようになり、SGWorkPass アプリでデジタルの就労パスを表示できる

3. 住所・電話番号が変わったら5日以内に届け出る

住所や携帯電話の番号が変わったときは、変更から5日以内に MOM に届け出ます。会社と本人のどちらが届けてもよいのですが、届け出ないとパスを持つ本人が罰せられることがあります。DP も同じです。一時的な住まいから本格的な住まいに移ったときも忘れずに届け出ましょう。

4. 携帯電話:まずプリペイド、パスが届いたら月額契約

SIM の種類と登録に必要なもの
プリペイド月額契約(ポストペイド)
いつ使うか到着直後パスカードが届いた後
登録に使う身分証パスポートでも登録できる(その場合30日間だけ有効)就労パスが必要(外国のパスポートでは登録できない)
1人あたりの上限3枚(全社の合計)10枚(全社の合計、2026年2月28日から)
  • パスポートで登録したプリペイド SIM は30日間だけ使える(Singtel の規約)。使い続けるには、30日以内に就労パスで登録し直す
  • Singpass の登録(SMS の認証)にはシンガポールの携帯番号が必要なので、先に SIM を用意しておく
  • 月額契約では、パスの残りの期間が6か月以上あることや、デポジットを求められることがある(StarHub の例:S$500〜800)

5. Singpass:行政・銀行の手続きに使う ID

Singpass は、政府や民間の2,700以上のサービスにログインするためのデジタル ID です。登録した本人の情報を申込書に自動で入力する Myinfo の機能もあり、銀行口座の開設などがスムーズになります。

  • 登録できる人:15歳以上で、FIN(外国人の識別番号)を持つ人。EP・S Pass・DP の保持者が対象
  • 登録方法:Singpass のウェブサイトから、顔認証で本人確認して登録する
  • シンガポールの携帯番号が必要(SMS の認証用)
  • 登録の前に、パスカードに書かれた住所が正しいか確認しておく

6. 銀行口座

給与の受け取りや家賃の支払いのために、現地の銀行口座を開きます。必要な書類は銀行ごとに違いますが、基本は「パスポート・就労パス・住所の証明」の3つです。

主な銀行の外国人の口座開設(各行の公式情報)
銀行主な必要書類特徴
DBS / POSBパスポート、就労パス(または IPA のレター)、住所の証明Singpass(Myinfo)で申し込むと即時に開設。IPA のレターは就労の証明か住所の証明のどちらか一方にしか使えない
OCBCパスポート、就労パス、住所の証明1点渡航前のアプリでの申し込みは一部の国の旅券のみ(日本は対象外)
UOBパスポート(残り6か月以上)、就労パス、住所の証明(すべて原本)外国人は支店で申し込む

住所の証明には、公共料金や電話料金の請求書、銀行の取引明細書などが使えます。着いたばかりで用意できない場合は、Singpass(Myinfo)の住所を使える銀行もあります。最低預金額や口座の維持手数料は口座の種類によって違うため、各行で確認してください。

7. 交通:クレジットカードのタッチ決済でそのまま乗れる

  • MRT・バスは、タッチ決済のマークがついたクレジット・デビットカード(Visa・Mastercard・American Express・NETS)やスマートフォンのウォレットで、事前の登録なしで乗れる
  • 日本で発行したカードも使えるが、外国発行の Visa・Mastercard は1日ごとに S$0.60 の手数料がかかる。現地の口座ができたら、シンガポールで発行されたカードに切り替えると手数料がかからない
  • 交通カード(SimplyGo EZ-Link)も使える。残高は S$3 以上を保つ必要があり、アプリでは S$10 からチャージできる
シンガポールの生活費と家賃の目安 →運賃や定期券の料金、光熱費などをまとめています。

8. 住まいの契約で知っておきたいこと

  • 賃貸契約には印紙税がかかる(賃料の総額の0.4%。年平均の賃料が S$1,000 以下なら免除)。契約書に定めがなければ借り手が払い、シンガポールで署名した場合は14日以内に納める
  • 最短の賃貸期間:民間の住宅は3か月、HDB(公営住宅)は6か月
  • HDB を借りるには、パスの残りの期間が6か月以上あることなどが条件
シンガポールの住まいの探し方 →家賃の相場、HDB とコンドミニアムの違い、契約の注意点をまとめています。

9. 日本からの持ち込み:酒・たばこ・薬

  • たばこ:免税の範囲はなく、1本から申告・課税の対象
  • 酒:48時間以上国外にいた18歳以上の人は、決められた組み合わせで合計2Lまで免税(例:蒸留酒1L+ワイン1L、ワイン2L など)
  • 買い物の GST の免除(S$500 まで)は、EP・S Pass・DP などの長期のパスを持つ人は対象外
  • 薬:処方された薬で規制された成分を含まないものは、事前の承認なしで3か月分まで持ち込める。規制された成分を含む薬は、到着の2週間以上前に HSA(保健科学庁)の承認が必要

薬は、患者名・薬の名前・量がわかる元の容器に入れ、処方箋や薬局のラベルを持っていきます。日本の市販薬(かぜ薬など)の中には規制された成分を含むものもあるため、HSA の案内で確認してください。

10. 在留届と日本大使館

3か月以上シンガポールに住む日本人は、在シンガポール日本国大使館に在留届を出す義務があります(旅券法)。外務省のオンライン在留届(ORRネット)で、到着の90日前から出せます。事件や災害のときの緊急連絡や、大使館からの情報のメールに使われます。

在シンガポール日本国大使館
住所16 Nassim Road, Singapore 258390
電話(代表)+65 6235-8855
領事班の窓口予約制(パスポート・証明書・届け出など)

11. 車を運転するなら

シンガポールに住んで12か月未満の外国人は、日本の運転免許証と国際運転免許証で運転できます。12か月を超えて住む場合は、シンガポールの免許への切り替えが必要です。切り替えには、Basic Theory Test(学科試験)の合格と、免許を取った国に1年以上住んでいたことを示す書類などが必要です。

シンガポールで働くために日本を出るときの手続き →国際運転免許証の取り方や、住民票・年金・税金など日本側の手続きをまとめています。

到着後のチェックリスト

  • SG Arrival Card を出した(到着の3日前から)
  • 会社がパスを発行し、通知レターを受け取った
  • 指紋・写真の登録を予約した(必要な場合。EP は2週間以内、S Pass は1週間以内)
  • プリペイド SIM を買い、30日以内に就労パスで登録し直す
  • Singpass に登録した
  • 銀行口座を開き、会社に給与の振込先を伝えた
  • 住所が変わったら5日以内に MOM に届け出る
  • 在留届を出した

よくある質問

+EP の IPA をもらった後、いつまでに入国すればいいですか?

EP の IPA は、入国してパスを発行するまで6か月の期限があります。S Pass は60日です。期限までに発行できない場合は、MOM に延長を依頼するフォームがあります。

+パスカードが届く前に働き始めてもいいですか?

EP の場合、パスが発行されて通知レターが出れば、カードを待つ間も働けます(MOM の案内)。カードは指紋・写真の登録から5営業日以内に配達されます。

+引っ越したら何か届け出が必要ですか?

住所や携帯電話の番号が変わったら、5日以内に MOM に届け出ます。会社と本人のどちらが届けてもかまいませんが、届け出ないとパスを持つ本人が罰せられることがあります。

+日本のクレジットカードで MRT やバスに乗れますか?

タッチ決済に対応したカードなら、登録なしで乗れます。ただし外国で発行された Visa・Mastercard は、利用した日ごとに S$0.60 の手数料がかかります。

+日本の薬は持っていけますか?

処方された薬で規制された成分を含まないものは、事前の承認なしで3か月分まで持ち込めます。規制された成分を含む薬は、到着の2週間以上前に HSA の承認が必要です。

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