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シンガポールのワーキングホリデー(Work Holiday Programme):対象・条件・費用・申請の流れ

最終確認:2026年9月29日

シンガポールにもワーキングホリデーの制度があります。正式には Work Holiday Programme(WHP)といい、このプログラムで発行されるパスを Work Holiday Pass と呼びます。ただし対象は大学の在学生と卒業生に限られ、期間も6か月です。この記事では、MOM(人材開発省)の公式情報をもとに、条件・費用・申請の流れと、6か月で仕事を見つけるための準備を整理します。

シンガポールのワーホリの概要

Work Holiday Programme は、若い大学生・大学卒業生がシンガポールで働きながら滞在できる制度です。通常の就労パスと違い、会社の内定がなくても本人が申請できます。パスを取ってから現地で仕事を探す、という順番が取れる点が大きな特徴です。

日本はこのプログラムの対象国の一つです。日本の大学に在学中、または日本の大学を卒業していて、申請時に18〜25歳であれば、条件を満たす可能性があります。

Work Holiday Programme の基本情報(2026年9月時点)
項目内容
対象年齢申請時に18〜25歳
対象者対象国・地域の大学の在学生または卒業生
期間6か月(更新不可)
発行数の上限同時に2,000人まで
申請者本人がオンラインで申請
審査期間大半は4週間以内
費用発行手数料 $175(Multiple Journey Visa が必要な場合は $30 追加)
家族用のパスなし
雇用主の levy(雇用税)なし

一般的なワーホリとの違い

「ワーホリ」と聞くと、若い人なら学歴に関係なく1年ほど滞在できる制度を思い浮かべる人が多いかもしれません。シンガポールの制度は、対象と期間の点でかなり性格が違います。

  • 対象は大学の在学生と卒業生に限られる。大学に在籍した経験がないと申請できない
  • 年齢の上限は申請時点で25歳
  • 期間は6か月で、更新できない
  • 同時に保持できるのは全体で2,000人まで
  • 家族を帯同するためのパスは用意されていない

6か月という期間は、長期のキャリアづくりよりも、現地で働く経験を積む、海外就職の下見をする、といった目的に向いています。大学在学中の休学期間や、卒業後から就職までの期間に使う人を想定した制度と考えるとわかりやすいです。

申請できる人の条件

年齢と対象国

申請時に18〜25歳であることが条件です。そのうえで、次の国・地域の大学の在学生または卒業生である必要があります。大学は、その国・地域の政府が認めたものに限られます。

  • オーストラリア
  • フランス
  • ドイツ
  • 香港
  • 日本
  • オランダ
  • ニュージーランド
  • スイス
  • 英国
  • 米国

日本の場合、日本政府が認めた大学の在学生・卒業生が対象になります。条件は国籍ではなく「どの国・地域の大学か」で決まります。

在学生の条件

在学生として申請する場合は、申請前に3か月以上、その大学のフルタイムの学生であり、その国・地域に住んでいたことが必要です。日本の大学生なら、日本に住みながら3か月以上フルタイムで在籍していることが目安になります。入学直後に申請すると、この期間に届かないことがあります。

卒業生の条件

卒業生として申請する場合は、その大学でフルタイムの学生だったことが条件です。卒業生であっても、申請時に18〜25歳という年齢の条件は満たす必要があります。

在学生と卒業生の条件の違い
区分大学の条件在籍と居住の条件年齢
在学生その国・地域の政府が認めた大学申請前に3か月以上フルタイムの学生で、その国・地域に居住申請時に18〜25歳
卒業生その国・地域の政府が認めた大学フルタイムの学生だったこと申請時に18〜25歳

年齢は申請時点で判断

年齢の条件は申請時に18〜25歳であることです。26歳の誕生日が近い人は、申請のタイミングに注意してください。申請できるのは渡航予定日の3か月前からなので、逆算して計画を立てると安全です。

費用

パスの発行時に手数料 $175 がかかります。Multiple Journey Visa が必要な国籍の人は、さらに $30 がかかります。

Work Holiday Pass の費用
項目金額かかる人
発行手数料$175全員
Multiple Journey Visa$30Multiple Journey Visa が必要な人のみ

このほかに、往復の航空券、滞在中の住居費や生活費は自分で用意する必要があります。申請には帰りの航空券が求められるため、片道だけで渡航する計画は立てられません。

雇用する会社側には levy(雇用税)がかかりません。S Pass などでは会社が1人ごとに毎月雇用税を払いますが、Work Holiday Pass の保持者を雇う場合はその負担がありません。

必要書類

MOM の申請ページでは、在学生と卒業生で次の書類が挙げられています。

申請に必要な書類
区分必要書類
卒業生パスポートの顔写真ページのコピー、学位証明書または成績証明書のコピー
在学生パスポートの顔写真ページのコピー、大学が発行した在籍を証明する書面(日付が3か月以内で、在籍・氏名・国籍・生年月日が書かれたもの)、学生証のコピー、留学生の場合は学生ビザのコピー
  • ファイル形式は PDF または JPEG で、1ファイル2MB まで
  • 英語以外の書類は、大学が認証した正式な翻訳が必要

日本の大学の書類は日本語で発行されることが多いため、英文の証明書を出してもらえるか、認証付きの翻訳を用意できるかを大学の窓口で早めに確認しておくと安心です。在学生の在籍証明は日付が3か月以内のものが必要なので、取得のタイミングにも気をつけてください。

申請の流れ

申請は本人がオンラインで行います。大まかな流れは次のとおりです。

  1. 条件を確認し、必要書類をそろえる
  2. 渡航予定日を決める。申請できるのは渡航予定日の3か月前から
  3. オンラインで申請する。審査は大半が4週間以内に終わる
  4. 仮承認(IPA、In-Principle Approval)の通知をメールで受け取る
  5. 帰りの航空券を用意し、入国の要件を確認して渡航する
  6. IPA から3か月以内に、シンガポールでパスの発行を受ける。発行手数料 $175 を支払う
  7. 必要な場合は指紋と写真の登録をする
  8. パスのカードを受け取る。発行から5営業日以内に届く
  9. パスが不要になったら取り消し(キャンセル)の手続きをする

IPA は最終的なパスではありません。IPA を受け取ってから3か月以内にシンガポールでパスを発行してもらって初めて、6か月の滞在と就労が始まります。IPA の期限を過ぎないよう、渡航日は IPA の時期と合わせて決めてください。

スケジュールの目安としては、渡航予定日の3か月前に申請し、4週間ほどで IPA を受け取り、渡航後にパスを発行してもらう流れです。審査に4週間以上かかる場合もあるので、早めに申請できるよう書類をそろえておくと安心です。

もう一度申請したいとき

Work Holiday Pass は更新できません。6か月が終わった後にもう一度このプログラムを使いたい場合は、再申請になります。再申請できるのは、最後にパスを保持していた日から12か月後です。

再申請の時点でも、年齢や在学・卒業の条件を改めて満たす必要があります。たとえば25歳でパスを使った人は、12か月後には26歳以上になっていることが多く、年齢の条件で再申請できない場合があります。

Work Holiday Pass は内定がなくても取れますが、仕事は自分で探す必要があります。6か月という期間は短いので、渡航前から動き始めることが大切です。

渡航前にやること

  • 働きたい業界と職種を絞る。短期間で成果を出しやすい仕事を中心に考える
  • 英語の履歴書を用意する。在学中・卒業後の経験と、働ける期間をはっきり書く
  • 求人サイトで募集の傾向を見ておく。求人の条件欄で対応する就労パスを確認する
  • 応募先に Work Holiday Pass で働く予定であること、働ける期間が最長6か月であることを伝える

応募するときは、最初に Work Holiday Pass で働くことと、働ける期間を伝えておくと話が早く進みます。会社側に雇用税の負担がないことは、採用を考えてもらううえでの説明材料になります。一方で、6か月後に更新できないことも正直に伝えてください。

シンガポールでの仕事の探し方を読む →求人の探し方、応募書類、面接までの流れをまとめています。

6か月後も働き続けたい場合

Work Holiday Pass は6か月で終わり、更新もできません。シンガポールで長く働きたい場合は、EP や S Pass など別の就労パスが必要になります。これらは本人ではなく、内定を出した会社が MOM に申請するパスで、年齢に応じた最低月給などの条件があります。

ワーホリ中の仕事がそのまま長期の雇用につながるかは、会社と本人の条件次第です。長期で働く可能性がある会社なら、どのパスで、どの給与水準で雇えるかを早めに相談しておくと、6か月の終わりに慌てずにすみます。

就労パスの種類と違いを読む →EP・S Pass などの条件と最低月給を比較しています。

準備のチェックリスト

  • 申請時に18〜25歳か。26歳になる前に申請できる日程か
  • 対象の国・地域(日本など)の、政府が認めた大学の在学生または卒業生か
  • 卒業生は学位証明書または成績証明書、在学生は3か月以内の在籍証明と学生証を用意したか
  • 英語以外の書類に、大学が認証した翻訳を用意したか
  • 在学生の場合、申請前に3か月以上フルタイムで在籍し、その国・地域に住んでいたか
  • 卒業生の場合、フルタイムの学生だったか
  • 渡航予定日を決め、その3か月前からの申請に間に合うか
  • 帰りの航空券を用意したか
  • IPA から3か月以内にシンガポールでパスの発行を受けられる日程か
  • 発行手数料 $175(必要なら Multiple Journey Visa の $30)を準備したか
  • 6か月分の住居費・生活費の見通しを立てたか
  • 英語の履歴書と、働ける期間を伝える準備ができているか
  • 家族を帯同する予定がないか(家族用のパスはない)
シンガポールの求人を探す →日本人向けのシンガポール求人を、就労パスの条件で絞り込めます。

よくある質問

+シンガポールのワーホリは日本人でも使えますか。

使えます。日本はプログラムの対象国の一つで、日本政府が認めた大学の在学生または卒業生であり、申請時に18〜25歳であれば対象になります。条件は国籍ではなく、どの国・地域の大学かで判断されます。

+大学に通っていないと申請できませんか。

できません。対象は政府が認めた大学の在学生または卒業生に限られます。在学生は申請前に3か月以上フルタイムで在籍し、その国・地域に住んでいたこと、卒業生はフルタイムの学生だったことが条件です。

+期間はどれくらいで、延長できますか。

期間は6か月で、更新はできません。もう一度このプログラムを使う場合は、最後にパスを保持していた日から12か月後に再申請できます。その時点でも年齢などの条件を満たす必要があります。

+費用はいくらかかりますか。

パスの発行手数料が $175 です。Multiple Journey Visa が必要な人は $30 が追加でかかります。航空券や滞在中の生活費は別に必要です。

+いつ申請すればよいですか。

渡航予定日の3か月前から申請できます。審査は大半が4週間以内です。仮承認(IPA)を受け取ってから3か月以内に、シンガポールでパスの発行を受ける必要があります。

+ワーホリの後もシンガポールで働き続けられますか。

Work Holiday Pass は更新できないため、長く働くには EP や S Pass など別の就労パスが必要です。これらは内定を出した会社が申請するもので、最低月給などの条件があります。

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