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シンガポールで日本人が仕事を探す方法

最終確認:2026年9月28日

シンガポールで仕事を探すとき、最初に決まるのは「どの就労パスで働くか」です。パスによって応募できる求人も、会社側の手続きも変わります。この記事では、現地に住んでいる人と日本から移りたい人の両方に向けて、パスの確認から探し方、応募、面接、怪しい求人の見分け方までを順に説明します。

最初に確認すること:自分はどのパスで働けるか

シンガポールでは、外国人が働くには就労に有効なパスが必要です。シンガポール国民(SC)と永住者(PR)は不要です。パスは本人ではなく雇用主が申請します。つまり「会社がパスを申請してくれるか」「申請して承認される条件を満たすか」で、応募できる求人がほぼ決まります。

求人を見る前に、自分が次のどれに当てはまるかを確認してください。

立場ごとの働き方(MOM・ICA の公開情報より)
立場働くために必要なこと求人探しへの影響
SC・PRパス不要パスの条件を気にせず応募できる
新しく EP で働く人内定後に会社が EP を申請。最低月給と COMPASS(40点以上)を満たす必要がある専門職・管理職が中心。給与水準が最低月給に届く求人に絞られる
新しく S Pass で働く人内定後に会社が S Pass を申請。最低月給を満たす必要がある会社側に雇用枠と雇用税がある。枠が埋まっている会社は採用できない
DP(家族ビザ)保持者EP・S Pass・DP-WP のいずれかを会社が申請DP-WP は最低月給がないが、会社側に枠と雇用税がかかる
LTVP 保持者(SC・PR の配偶者)会社が LOC を申請すれば働ける会社の負担が軽い(雇用税・枠なし、手数料無料)

EP の最低月給は、一般の業種で S$5,600(23歳以下)から S$10,700(45歳以上)まで年齢に応じて上がります。金融業は S$6,200 から S$11,800 です。2027年1月1日以降の新規申請では、一般 S$6,000〜、金融 S$6,600〜に引き上げられます。S Pass は一般 S$3,300〜S$4,800、金融 S$3,800〜S$5,650 で、2027年1月1日以降の新規申請では一般 S$3,600〜、金融 S$4,000〜になります。

求人に書かれた給与が、自分の年齢で必要な最低月給に届いているかを最初に見てください。届いていなければ、その求人ではそのパスは取れません。会社がパスを申請する前提で募集しているかどうかも、求人票で確認できることが多いです。

家族として滞在している人

DP 保持者は、2021年5月から働くには EP・S Pass・DP-WP のいずれかが必要になりました(LOC は原則廃止)。LTVP で滞在する SC・PR の配偶者は、会社が LOC を申請すれば働けます。詳しくは家族ビザの人向けの記事にまとめています。

就労パスの種類と違いを詳しく見る →EP・S Pass・DP・LTVP の条件を一覧で比較しています。

仕事の探し方の種類と特徴

探し方は大きく6つあります。一つに絞る必要はありません。多くの人は2〜3つを並行して使います。自分の立場(在住か日本からか、どのパスか)と職種に合うものを選んでください。

探し方の比較
探し方向いている人メリット注意点
人材紹介会社日系企業や日本語を使う仕事を探す人、日本から応募する人非公開の求人を紹介してもらえる。条件交渉や面接日程の調整を任せられる紹介される求人は担当者が扱う範囲に限られる。自分の希望と合わない求人を勧められることもある
求人サイト・日本語の掲示板日本語で求人を探したい人、飲食・美容・事務などの求人を広く見たい人日本語で読める。小規模な会社の求人も見つかる掲載内容の確認が甘い場所では、条件があいまいな求人や怪しい投稿が混じる
MyCareersFutureEP・S Pass で働きたい人、現地企業も含めて広く探したい人政府が運営するサイト。EP を申請する会社は原則ここに求人を出す必要がある英語のサイト。SC・PR を主な対象にした求人も多く、日本語を使う求人は探し方に工夫が要る
LinkedIn専門職・管理職、外資系や現地企業を狙う人求人検索に加え、採用担当者から直接連絡が来ることがあるプロフィールを英語で整える手間がかかる。スカウトの中に怪しい連絡が混じることもある
企業の採用ページへ直接応募働きたい会社が決まっている人仲介がなく、会社と直接やり取りできる自分で会社を探す必要がある。募集していない時期もある
知人の紹介現地に知り合いがいる人、在住歴が長い人職場の実情を事前に聞ける。書類選考を通りやすいことがある条件を書面で確認しないまま進みやすい。断りにくさもある

人材紹介会社

シンガポールには日本人向けの人材紹介会社が複数あります。登録すると面談があり、経歴と希望に合う求人を紹介されます。求職者の費用は通常かかりません。日本から応募する人にとっては、現地の採用事情を聞ける窓口にもなります。複数社に登録する人も多いですが、同じ求人に別々の会社から重ねて応募されないよう、どこから何に応募したかを記録しておきましょう。

求人サイト・日本語の掲示板

日本語で書かれた求人を探すなら、日本人向けの求人サイトや掲示板が手軽です。飲食店や美容室、小規模な日系企業の求人はここに出ることが多いです。一方で、掲載前の審査がない場所もあります。給与、勤務時間、パスの申請の有無が書かれていない求人は、応募前に問い合わせて確認してください。

MyCareersFuture

MyCareersFuture はシンガポール政府が運営する求人サイトです。Fair Consideration Framework という制度により、EP を申請する会社は、原則として申請前にこのサイトへ求人を掲載する必要があります。そのため、EP 対象の求人を探すときには確認しておきたいサイトです。英語で検索するため、「Japanese」などの語で絞り込むと日本語を使う求人を見つけやすくなります。

LinkedIn

専門職や管理職の採用では LinkedIn がよく使われます。求人への応募だけでなく、採用担当者や人材紹介会社の担当者から直接連絡が来ることもあります。職歴、担当業務、成果、使える言語を英語で具体的に書き、所在地を「Singapore」にしておくと、現地の採用担当者の検索に出やすくなります。

企業の採用ページへの直接応募と知人の紹介

働きたい会社が決まっているなら、その会社の採用ページを直接見るのが確実です。募集がなくても、問い合わせ先に履歴書を送って空きを待つ方法もあります。知人の紹介は、職場の雰囲気や実際の残業などを事前に聞ける点が強みです。ただし紹介でも、給与、勤務条件、パスの申請は書面で確認してから決めてください。

現地採用と駐在の違い

日本人がシンガポールで働く形は、大きく「駐在」と「現地採用」に分かれます。駐在は、日本の会社に所属したまま、会社の命令でシンガポールの拠点へ送られる働き方です。現地採用は、シンガポールの会社(日系企業の現地法人を含む)と直接雇用契約を結ぶ働き方です。自分で仕事を探して応募する場合は、ほとんどが現地採用です。

一般的な違い(会社によって異なる)
項目駐在現地採用
雇用契約の相手日本の本社シンガポールの会社
勤務地を決める人会社(辞令)自分(応募先を選ぶ)
給与・手当日本の給与に海外手当や住宅手当が付くことが多い現地の給与水準で決まる。手当の有無は会社ごと
任期数年で帰任することが多い期間の定めがないことが多い。転職も自分で決める
就労パス会社が申請会社が申請

現地採用は、駐在に比べて手当が少ないことが多い一方、働く国と会社を自分で選べます。転職するときは新しい会社があらためてパスを申請します。パスが会社の申請に基づく以上、退職や転職の時期はパスの手続きと合わせて考える必要があります。

応募から働き始めるまでの流れ

日本から応募する場合

  1. 自分の年齢・職歴・希望職種から、EP と S Pass のどちらで働く見込みかを考える。求人の給与が最低月給に届くかを確認する。
  2. 英文レジュメを用意し、人材紹介会社への登録、MyCareersFuture や LinkedIn、求人サイトで応募する。
  3. 面接を受ける。日本からの場合はオンライン面接が多い。最終面接だけ現地で行う会社もある。
  4. 内定を受け、雇用条件(給与、勤務時間、試用期間、入社日など)を書面で確認する。
  5. 会社がパスを申請する。本人は学歴証明やパスポートなど、会社に求められた書類を出す。
  6. パスが承認されたら、会社から届く書類に従って入国する。
  7. 入国後、会社の案内に沿ってパスの発行手続きを済ませ、働き始める。

パスの承認前に仕事を始めることはできません。内定から入社までの期間は、パスの審査にかかる時間を含めて見込んでおきましょう。日本の勤務先の退職日も、承認を確認してから決めるほうが安全です。

すでにシンガポールに住んでいる場合

  1. 今持っているパスを確認する。DP・LTVP など家族としてのパスか、EP・S Pass で別の会社に勤めているかで手続きが変わる。
  2. 求人を探して応募する。現地にいるので対面の面接にも応じやすい。
  3. 内定後、会社が必要なパス(EP・S Pass・DP-WP・LOC)を申請する。
  4. 承認されてから働き始める。転職の場合は、新しい会社のパスが承認されてから勤務を始める。

在住者は、面接や入社日の調整がしやすいのが強みです。ただし「住んでいる=働ける」ではありません。DP や LTVP で滞在している人も、会社の申請と承認があって初めて働けます。

家族ビザ(DP・LTVP)で働く方法を読む →DP-WP と LOC の違い、会社に伝えるポイントをまとめています。

日本語が活きる仕事の傾向

シンガポールには日系企業や日本人の顧客が多く、日本語を使う仕事が一定数あります。日本語を使う仕事は、日本人であること自体が採用の理由になりやすいのが特徴です。主な分野は次のとおりです。

  • 日系企業の営業:日系の取引先を担当する法人営業が多い。英語で現地の顧客にも対応できると選択肢が広がる。
  • 日系企業の事務・アシスタント:経理、総務、営業事務、秘書など。日本の本社とのやり取りで日本語を使う。
  • 飲食:日本食レストランのホール、キッチン、店長候補など。
  • 美容:美容室、ネイル、まつげエクステなど。日本人の顧客が多い店では日本語の接客が重視される。
  • 教育:日本人の子ども向けの学習塾、幼児教育、日本語教師など。
  • 旅行・観光:日本人旅行者向けの手配、ガイド、ホテルの日本人窓口など。
  • 日本人顧客向けのサービス:不動産の賃貸仲介、クリニックの通訳・受付、引っ越し、保険、コールセンターなど。

職種によって取りやすいパスが違います。専門性や管理経験が求められる営業職・管理職は EP の対象になりやすく、飲食や美容の現場の仕事は S Pass や、DP-WP・LOC で働く家族ビザの人の募集になることが多いです。ただしこれは傾向で、実際は給与と職務内容によって決まります。応募前に「この求人はどのパスで採用する予定か」を確認するのが確実です。

IT、金融、製造、物流などの専門職では、日本語を求めない求人も多くあります。英語で業務ができ、専門分野の経験があれば、日系企業以外にも応募先が広がります。

EP で働けるシンガポールの求人を見る →

応募書類:英文レジュメと日本語履歴書の使い分け

シンガポールで最も広く使われるのは英文レジュメ(CV)です。日系企業や日本人向けの人材紹介会社では、日本語の履歴書・職務経歴書を求められることもあります。両方を用意しておくと、どの求人にもすぐ応募できます。

書類の使い分け(一般的な目安)
書類主な提出先書き方のポイント
英文レジュメ現地企業、外資系、MyCareersFuture・LinkedIn 経由の応募A4 で1〜2枚。職歴は新しい順に書き、担当業務と成果を具体的に。写真・生年月日は通常不要
日本語の履歴書・職務経歴書日系企業、日本人向けの人材紹介会社日本の書式で問題ない。職務経歴書で経験とスキルを詳しく書く
カバーレター英語の求人で求められた場合応募する理由と、求人の条件に合う経験を短くまとめる

どの書類にも、使える言語とそのレベル(日本語は母語、英語はビジネスで使用、など)をはっきり書いてください。日本語を使う仕事では、それが評価の中心になります。現在のパスの種類と、就労開始できる時期も書いておくと、採用担当者が手続きを見通せます。EP の審査では学歴も確認されるため、卒業証明書などをすぐ出せるよう準備しておくと手続きが進めやすくなります。

面接で確認すべきこと

面接はこちらが会社を見極める場でもあります。とくにパスと給与は、入社してから食い違うと働けなくなるおそれがあるため、内定前後に必ず確認してください。

  • パスの申請:どのパス(EP・S Pass・DP-WP・LOC)で申請するのか。申請は会社が行うのか。承認されなかった場合はどうなるのか。
  • 給与と最低月給:提示された月給が、自分の年齢で必要なパスの最低月給に届いているか。基本給と手当の内訳はどうなっているか。
  • 勤務条件:勤務時間、休日、残業の扱い、有給休暇、試用期間、勤務地。
  • 契約の形:正社員か契約社員か。契約期間と更新の条件。
  • 入社日:パスの審査期間を踏まえて、いつから働く想定か。
  • 福利厚生:医療保険、ボーナス、住宅手当や渡航費の有無(現地採用では会社ごとに差が大きい)。

口頭で聞いた条件は、内定通知や雇用契約書に書かれているかを確認してから承諾しましょう。英語の契約書で分からない箇所は、署名の前に質問して構いません。

給与が最低月給に届かない場合

EP や S Pass は、最低月給を下回る給与では申請が通りません。提示額が基準に近い、または下回っている場合は、どのパスで申請するつもりかを会社にあらためて確認してください。

詐欺・怪しい求人の見分け方

海外の求人には、求職者の不安や焦りにつけ込む詐欺も混じります。次のような特徴がある求人には応募しないか、応募前に十分に確かめてください。

  • LINE や個人のメッセージアプリへすぐ誘導する:会社名や所在地を示さず、個人アカウントでのやり取りだけを求める。
  • 前払いを求める:登録料、研修費、ビザ申請費、保証金などを求職者に払わせようとする。
  • パスポートや銀行口座の情報を早い段階で求める:面接も済まないうちに、パスポートの写し、口座番号、暗証番号などを送らせようとする。
  • パスなしで働けると言う:「観光ビザのままで大丈夫」「パスがなくても現金払いで働ける」などと誘う。
  • 条件が良すぎる:簡単な作業で高収入、経験不問で高額などを強調し、仕事内容の説明があいまい。
  • 会社の実体が確認できない:会社名、所在地、ウェブサイトがない、または問い合わせても答えない。

パスは雇用主が申請するものです。正規の手続きで求職者が会社にお金を払う場面は通常ありません。パスを持たずに働くことは法律で認められていません。少しでもおかしいと感じたら、会社名で検索する、公式サイトの連絡先に問い合わせる、知人に相談するなど、応募前に確認しましょう。

セカイシゴトでの探し方

セカイシゴトは、シンガポールの日本語求人を就労パスで絞り込めるサイトです。求人一覧で自分のパス(EP・S Pass・DP・LTVP・SC・PR)を選ぶと、そのパスで応募できる求人だけが表示されます。気になる求人があれば、応募は掲載している企業へ直接行います。セカイシゴトに会員登録は必要ありません。

シンガポールの日本語求人を見る →就労パスで絞り込んで探せます。

よくある質問

+シンガポールで働くのに英語はどのくらい必要ですか?

職種によって違います。日系企業の事務や日本人顧客向けの接客では日本語が中心の職場もありますが、社内や取引先とのやり取りで英語を使う場面は多くあります。求人票に求める英語力が書かれていることが多いので、応募前に確認してください。

+日本にいながら応募できますか?

できます。人材紹介会社、MyCareersFuture、LinkedIn、企業の採用ページなどから応募し、オンラインで面接を受ける人が多いです。内定後に会社がパスを申請し、承認されてから入国して働き始めます。

+観光で入国して、現地で仕事を探してもよいですか?

入国して求人を探すこと自体と、就労することは別です。働くには、会社がパスを申請して承認される必要があります。パスがない状態で働くことはできません。入国の条件は ICA の案内を確認してください。

+家族ビザ(DP)で滞在していますが、パートでも働けますか?

DP 保持者が働くには、勤務時間の長さにかかわらず、会社が EP・S Pass・DP-WP のいずれかを申請して承認される必要があります。DP-WP には最低月給がありませんが、会社側に雇用枠と雇用税がかかります。

+年齢が高いと EP は取りにくいですか?

EP の最低月給は年齢が上がるほど高くなります。一般の業種では23歳以下の S$5,600 から45歳以上の S$10,700 まで段階的に上がります(2026年9月時点)。提示給与が自分の年齢の基準に届いているかを確認してください。

+人材紹介会社に費用はかかりますか?

一般的に、求職者側の費用はかからず、採用した会社が紹介料を払う仕組みです。求職者に登録料や手数料を求める場合は、内容をよく確かめてください。

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