シンガポールで働く日本人家族の子どもの教育:日本人学校・インター・現地校の選び方と学費
最終確認:2026年9月30日
家族を連れてシンガポールで働く場合、子どもの学校選びは給与や住む場所を決めるうえでも大きな要素です。学費は学校によって年 S$1万前後から S$5万以上まで違い、入れるかどうかの条件もさまざまです。この記事では、MOE(シンガポール教育省)・ICA(入国管理庁)・各校の公式情報をもとに、日本人の子どもの主な選択肢と2026年度の学費、手続きの注意点を整理します。
主な選択肢と学費の比較
| 学校 | 授業の言語 | 学費の目安(年額) | 入学の条件・難しさ |
|---|---|---|---|
| シンガポール日本人学校 | 日本語 | 約 S$9,810(授業料+施設費。別に入学金・施設費の一時金) | 保護者が日本人会の会員、勤務先の寄付金など |
| インターナショナルスクール | 英語 | S$46,760〜50,280(4校の小学校中学年。別に一時金 約 S$5,600〜12,400) | 学校ごとの選考・空き状況 |
| 現地の公立校(MOE) | 英語 | 約 S$12,576(外国人〔ASEAN 以外〕の月額 S$1,035+雑費 S$13) | 国民・永住者が優先。途中の学年は選抜試験(AEIS) |
学費は毎年改定されます。この記事の金額は、2026年9月30日時点で各校・MOE の公式サイトで確認したものです。出願の前に、必ず各校の最新の案内を確認してください。スクールバス・制服・教材などの費用は別にかかります。
会社の教育手当を確認しておく
駐在員は会社が学費を負担することが多い一方、現地採用では学費の補助がないことも少なくありません。インターの学費は年 S$5万前後になるため、内定の段階で教育手当の有無と上限を確認しておきましょう。
シンガポール日本人学校(小学部・中学部)
文部科学省が認定する日本人学校で、日本の小・中学校と同じ教育課程で学べます。小学部はクレメンティ校とチャンギ校の2つがあり、住んでいる住所によってどちらに通うかが決まります(学区を越えた通学は不可)。中学部はウェストコーストにあります。
入学の条件
- 日本の学齢に当たる子どもで、シンガポールに住んでいること
- 保護者がシンガポール日本人会の会員であること
- 勤務先の日系企業が学校に寄付金を納めていること。日系企業以外に勤めている場合などは、個人寄付金 S$3,000+GST(1家族1回)を納める
- 転職などで勤務先が変わると、改めて寄付金が必要になることがある
学費(2026年度、GST 込み)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金(1回) | S$1,090(勤務先が日本人会の法人会員でない日系企業の場合は S$3,924) |
| 施設費(一時金、1回) | S$2,725 |
| 小学部(月額) | 授業料 S$675.80+施設費 S$141.70=S$817.50 |
| 中学部(月額) | 授業料 S$752.10+施設費 S$141.70=S$893.80(グローバルクラスの授業料は S$1,057.30) |
| スクールバス(月額) | S$305.20(日本人学校協同組合が運営。別に加入金・出資金) |
- 入学金と施設費(一時金)は、小学部から中学部に進むときにも改めてかかる
- 編入の申し込みは、希望日の1か月前までにオンラインで登録する。手続きが終われば最短で3営業日後から通える
- 必要な書類の例:保護者の就労パス、日本人会の会員証、子どものパスポート、DP の申請状況がわかる書類
高校:早稲田渋谷シンガポール校
日本の高校と同じ教育課程で学べる、文部科学省認定の私立在外教育施設です。早稲田大学の系属校で、早稲田大学への推薦制度があり、校内に寮もあります。海外に住んでいる人も日本に住んでいる人も受験できます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 1年次(2026年度入学生、入学金・授業料・施設費) | S$37,968.69 |
| 2・3年次(年額、授業料・施設費) | S$31,613.99 |
| 寮費(年額) | S$17,660.48 |
別に教材費・制服代・研修旅行費などがかかります。シンガポールで日本の高校の課程を全日制で学べる学校は、今回の調査では早稲田渋谷シンガポール校のほかに確認できませんでした。
インターナショナルスクール
英語で学ぶ私立の学校で、米国式・英国式・国際バカロレア(IB)など、学校によって教育の方式が違います。学費は高く、入学時の一時金もかかります。
| 学校 | 学年 | 年額 | 入学時の一時金 |
|---|---|---|---|
| Singapore American School(米国式) | K〜Grade 5 | S$46,670(授業料 S$37,640+施設費 S$9,030) | 申込料 S$2,500+登録料 S$9,900(米国籍でない場合) |
| Tanglin Trust School(英国式) | Year 3–6 | S$47,490 | 申込料 S$1,000+入学金 S$4,500+Capital Levy S$4,500 |
| UWCSEA(IB) | G2–G5 | 初年度 S$50,280(2年目以降 S$45,909) | 申込料 S$627+入学金 S$4,992 |
| Dulwich College(英国式) | Years 3–6 | S$46,760 | 申込料 S$1,500+入学金 S$4,000+Capital Levy S$4,500 |
- 学年が上がるほど学費は高くなる(高校生の年代では各校とも年 S$5万台で、初年度は一時金が加わる)
- 英国式の Year・米国式の Grade と日本の学年の対応は、学校や誕生日によって違う
- 英語の補習(EAL)、スクールバス、制服、昼食、校外学習などは別料金のことが多い
- 人気校は空きを待つことがあるため、渡航が決まったら早めに問い合わせる
外国人の生徒を受け入れる私立の外国の制度の学校(Foreign System School)は、EduTrust の認証を受けている必要があります(ICA の案内)。
現地の公立校(MOE の学校)
シンガポールの公立校は英語で授業があり、学費はインターより安い一方、外国人が入るのは簡単ではありません。MOE は、空きが限られ国民・永住者が優先されるため、外国人の入学は保証されないと明記しています。
入り方
- 小学1年:外国人向けの P1 登録で申し込む。申し込めるのは国民・永住者の後(Phase 3)。2027年入学分は2026年5月に受け付け、10月末に結果
- 小学2〜5年、中学1〜3年:毎年9月の選抜試験「AEIS」を受け、合格すると翌年1月に入学。試験科目は小学校が数学、中学校が英語と数学。小学校は出願に英語の検定(Cambridge English Qualifications)のスコアが必要
- AEIS の受験料:小学校 S$340、中学校 S$630(GST 別)。補欠の試験(S-AEIS)もある
- 小学6年、中学4〜5年などには、原則として新しく入れない
外国人の学費(2026年、月額、GST 込み)
| 学校段階 | 永住者(PR) | 外国人(ASEAN) | 外国人(ASEAN 以外) |
|---|---|---|---|
| 小学校 | S$330 | S$595 | S$1,035 |
| 中学校 | S$680 | S$1,090 | S$2,190 |
| プレユニバーシティ | S$760 | S$1,290 | S$2,540 |
このほかに雑費が月 S$13〜27 かかります。2027年以降の学費は、調査時点で MOE の発表を確認できませんでした。最新の金額は MOE の学費のページで確認してください。
現地校・インターに通うなら:日本語補習授業校
平日は現地校やインターに通う日本国籍の小・中学生が、毎週土曜日に国語などを日本語で学ぶ学校です。受け入れは年3回(4月・6月・10月)で、入学試験と面接があります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 受験料 | S$109 |
| 入学金 | S$272.50(日本人会の会員)/S$545(会員でない場合) |
| 授業料(月額) | 小学部 S$283.40、中学部 S$305.20(教材費・保険料を含む) |
幼稚園・保育園
- シンガポールの幼稚園・保育園は ECDA(幼児教育開発庁)の免許を受けて運営されている。保育園(Child Care Centre)は18か月〜7歳未満で全日も選べ、幼稚園(Kindergarten)は半日
- ECDA の保育料・幼稚園の補助は、シンガポール国籍の子どもが対象。日本国籍の子どもは補助を受けられないため、料金は全額自己負担になる
- 日本語で過ごせる幼稚園もある。例えばシンガポール日本人幼稚園は、日本語のクラスと英語環境のクラス(JIC)があり、保護者が就労パス・子どもが DP を持っていることが入園の条件
シンガポール日本人幼稚園の月額保育料は、園のサイトに「2024年度」として S$1,600+GST(JIC は S$1,700+GST)と掲載されています。最新の料金は園に確認してください。
子どもの在留資格:DP なら Student's Pass は不要
ICA の案内では、有効な DP(帯同家族のパス)や LTVP を持つ子どもは、Student's Pass(学生パス)を取らずに学校に通えます。公立校・日本人学校・インター・幼稚園や保育園のいずれも同じです。ただし宗教系の学校に通う場合は、DP があっても Student's Pass が必要です。
子どもの DP は、親が EP や S Pass を持っていることが前提です。転職や退職で親のパスがなくなると、子どもの DP もなくなるため、学校に通い続けるには手続きが必要になります。
DP(帯同家族のパス)の条件 →DP を申請できる親の月給の条件などをまとめています。日本の教科書を無償で受け取る
文部科学省は、海外に住む日本人の小・中学生に教科書を無償で渡しています。対象は、日本国籍で、海外に1年以上住む予定の(永住予定ではない)小・中学生です(小学校に入学する直前の年長の子どもを含む)。海外子女教育振興財団(JOES)は、出国前に申請して受け取るよう案内しています。
日本に帰るときの編入
- 小・中学校:帰国して転入届を出すと、住所地の教育委員会が通う学校と編入の日を知らせる。原則として年齢に合った学年に入るが、日本語の力などによっては一時的に下の学年に入ることもできる
- 日本人学校の中学部を卒業すると、日本の高校の入学資格がある
- 高校:文部科学省は帰国した生徒の編入学に配慮するよう求めているが、受け入れの枠や試験は都道府県・学校ごとに違う。帰国が決まったら早めに確認する
学校選びのチェックリスト
- 会社の教育手当の有無と上限(内定の段階で確認)
- 何年くらいシンガポールに住むか、帰国後の進路(日本の学校に戻るか)
- 子どもの英語の力と、日本語を維持する方法(補習授業校など)
- 住む場所と学校の位置(日本人学校の小学部は住所で校舎が決まる)
- 入学の時期と空き状況(インターは早めに問い合わせる。公立校は9月の AEIS)
- 出国前に教科書の無償給与を申請する
よくある質問
+シンガポール日本人学校の学費はいくらですか?
2026年度の小学部は、授業料と施設費で月 S$817.50(年 約 S$9,810、GST 込み)です。入学時に入学金 S$1,090 と施設費 S$2,725 がかかり、勤務先の寄付金(または個人寄付金)も必要です。
+インターナショナルスクールの学費はどのくらいですか?
主な4校の小学校中学年で、2026-27学年度の年額は S$46,760〜50,280(GST 込み)です。入学時に申込料・入学金などの一時金が別にかかり、学年が上がるほど高くなります。
+日本人の子どもはシンガポールの公立校に入れますか?
入れる可能性はありますが、国民・永住者が優先されるため保証はありません。小学1年は外国人向けの登録(Phase 3)、途中の学年は毎年9月の選抜試験 AEIS で入ります。学費は小学校で月 S$1,035(2026年、ASEAN 以外の外国人)です。
+子どもが学校に通うのに Student's Pass は必要ですか?
有効な DP を持っていれば不要です(宗教系の学校を除く)。ICA の案内で、DP・LTVP の保持者は Student's Pass なしで通学できるとされています。
+シンガポールで日本の教科書はもらえますか?
日本国籍で海外に1年以上住む予定の小・中学生は、文部科学省の教科書の無償給与を受けられます。出国前に海外子女教育振興財団(JOES)に申請して受け取るのが基本です。
あわせて読みたい
あなたの就労パスで応募できる求人を探す
EP・S Pass・DP・LTVP など、使えるパスを選ぶだけで応募できる求人に絞り込めます。登録不要です。
求人を探す